岡本全勝 のすべての投稿

憧れとあきらめ

国民の期待値の低下」の続きにもなります。連載「公共を創る」で、日本社会の変化を論じています。

昭和時代(後期)と平成時代と始まったばかりの令和時代を表現する、簡単な言葉は何かと、考えています。
国民の意識を表す一つの表現が、昭和は「憧れ」であり、現在は「あきらめ」になりつつあるのではないかというのが、私の見立てであり心配です。

20年ほど前、総務省に勤務していた頃に、地方行政の現状と課題を話す講演会に、しばしば呼ばれました。その際に、昭和後期の経済発展と行政サービスの拡大と、バブル崩壊後の停滞を説明しました。そして黒板に、昭和後期は「輝」、平成に入って「暗」になったと、一文字ずつ書きます。「では、次の一文字は何でしょうか?」と、聴衆に問うのです。
私が書いた一文字は「創」でした(拙著『新地方自治入門』333ページ)。輝、暗と来て、創は「規則違反」でしょうが。

「つくる」としたのは、未来は私たちが創るものだからです。社会や時代は、神様がつくるものでも、自然とできるものではありません。経済成長もその後の停滞も、日本人が作ったものです。もちろん、国際環境が制約します。
令和時代を、明るいものにするのか暗いものにするのか。それは私たち日本人にかかっているのです。
そう考えると、社会全体に、そして特に若者に「しかたがない」といったあきらめが広がっているように思えるのは、困ったものです。「別に」「なんとなく」「困っていないから」という言葉が流行るのは、あきらめの表現と思えるのです。皆さんは、どう考えますか。

再チャレンジのできない日本

10月20日の朝日新聞オピニオン欄、公益社団法人「日本駆け込み寺」代表・玄秀盛さんへのインタビュー「新型コロナ 歌舞伎町で見えたもの」から。

――苦しい人たちが、もっと「助けて」と声を上げることはできないのでしょうか。
「うかつに『助けて』って言ったら、周りから、もうこいつ終わりやなって思われるから、言わない。それは、歌舞伎町とか夜の街だけのことではない。まして会社員ほど『助けて』って言わない。弱みを見せたら、悪い評価がつけられるんちゃうか、と思うからや。だから、『助けて』どころじゃない。今の日本は、いったん脱線したら終わりで、再チャレンジはでけへん」

 ――なぜ、そうなのでしょう。
「だって、いまだに成功した人から学びましょう、偉くなった人から学びましょうって言われるやろ。失敗した人から学ぶという考えがないねん。どんな過去があってもやり直しがきく、再チャレンジできるシステムがない限り、どんどん無傷で痛みがわからんやつが上がっていくから、みんなで痛みを分かち合おうとはしない」

 

いのちの電話、運営困難

10月13日の読売新聞夕刊が「いのちの電話 運営ピンチ」を伝えていました。
・・・新型コロナウイルスの影響で、自殺を防ぐため電話相談に応じる各地の「いのちの電話」で、相談員不足が深刻化している。コロナ禍で生活苦や家庭内暴力(DV)などの相談が増加傾向にあるが、電話がつながりにくい状態が続いており、各団体が頭を悩ませている・・・

・・・一方、年中無休・24時間の相談体制は、外出を控える高齢の相談員もいるため縮小している。団体は仮眠室での感染を防ぐため4~8月、深夜・早朝の相談を休止した。
・・・背景には、コロナ禍による影響に加えて、慢性的な人手不足がある。
全国の相談員は2001年の7933人をピークに減少傾向にあり、現在は約5900人にとどまる。相談件数は東日本大震災などの影響で12年に約75万8000件に達したが、昨年は約62万件だった。佐合信子・事務局長は「相談が減っているわけではなく、相談員の減少で対応し切れていないのが実情」と明かす・・・

いのちの電話の解説もついています。「ロンドンで始まった自殺予防のための電話相談を参考に、1971年にドイツ人宣教師が東京で始めた。センターは43都道府県に50か所あり、各地の社会福祉法人やNPOが運営している。相談件数は年間60万件以上。運営費は寄付や行政・民間の助成金などで賄われている」とのことです。
大震災の際にも、いのちの電話には協力をいただきました。「よりそいホットライン

善福寺川公園のオオタカ

時々、いつもの散歩に出かけています。方向や時間の長さによって、いくつか経路を決めてあって、その日の気分で選んでいます。
先日、久しぶりに善福寺川公園を歩いていたら、数人の人が高い木を眺めています。聞くと、オオタカがいるとこと。指さしてもらったところに、確かにやや大形の鳥が見えます。こんな都会で生きていけるのだと、感心しました。

家に帰って、オオタカの写真を調べたら、確かに胸の模様が同じです。大きさはカラスと同じくらいなのですね。さらに、インターネットには「善福寺川のオオタカ」という、2019年の観察記録が載っていました。
ご近所の「ダーウィンが来た」でした。

官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で。その3

朝日新聞「官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で」」の続きです。朝日新聞ニュースレター「官邸の怪人、「民」と出会った衝撃 復興の現場で 」(10月11日配信。秋山訓子編集委員執筆)が、朝日新聞ウエッブサイト・アナザーノートに掲載されました。内容は同じもののようです。会員制ですが、記事下にあるように無料登録するか、文末「関連ニュース」の右下のリンクからアナザーノートに無料登録すると、全文が読めます。

この記事を読んだたくさんの人から、ねぎらいや励ましのお便りをいただきました。ありがとうございます。いくつか紹介します。少し改変してあります。
・官僚も、すばらしい仕事をしてることがわかりました。
・官僚の悪口ばかりが目につく時代に、この記事を読み、うれしくなりました。
・今後ますます「怪人」ぶりを発揮して、世の為に腕を振るってください。
・記事の最後の文章、「「政」と向き合い、時に翻弄された「官」の人生は、終盤に「民」と出会ってさらに豊かに深くなった」がよいですね。
・NPOが、被災者支援や復興をはじめ行政と協働するのは当たり前になりましたが、このようになったのは東日本大震災からだったことを思い出しました。

中には、次のようなものも。
・秋山記者の筆力で、臨場感がありました。引き込まれました。
・主語が「岡本氏」になっていますが、「ぜんしょうさん」の間違いでは。
・岡本さんの発言が、関西弁ではありません。