岡本全勝 のすべての投稿

成果に結びつかなかった猛烈勤務

6月27日の日経新聞「リクルート 遺伝子への挑戦者(3)」「脱「モーレツ」に向き合う」から。
・・・「起業家精神」と並ぶリクルートホールディングスを象徴するワードが「モーレツ営業」だ。そんなモーレツ時代をくぐり抜けたミドルが働き方改革に向き合っている・・・

・・・「24時間戦えますか♪」。働き方改革担当の執行役員、野口孝広(51)は、こんな栄養ドリンクのCMソングが流れていた1991年にリクルートに入社した。
配属は人事部門。担当は新卒採用だった。当時のリクルートは社員約3000人のうち約1000人が新卒。野口は十分に休みを取れないまま、「1年中絶え間なく採用活動をしていた」。
3年たって住宅の広告営業部門に異動すると、モーレツぶりは加速する。「会社に泊まることもあったし、それが美徳みたいな雰囲気もあった」。不動産事業者の店舗に朝晩押しかける「夜討ち・朝駆け」は当たり前だった。

働き方に関する考え方が変わるきっかけになったのは10年ほど前に社内で行ったある調査だった。従業員の業務成果と勤務時間の関係を調べたところ、「何の相関もなかった。衝撃的だった」・・・
この項続く。

震災遺児の支援

6月22日の日経新聞夕刊が「災害遺児ケアを世界に あしなが育英会、米で活動報告」を伝えていました。あしなが育英会は、交通事故遺児支援で有名ですが、震災孤児の支援もしています。

・・・自然災害などで親を亡くした子供のケア施設「レインボーハウス」を運営する「あしなが育英会」(東京)が、初めて米国の学会で活動内容を報告した。阪神大震災を機に始まった取り組みは、東日本大震災の被災地でも根付く。同会は「遺児の成長から得た知見を世界に発信したい」と意気込む・・・
・・・神戸だけでなく東日本大震災後に東北で開設した3カ所のレインボーハウスにも生かした。東北では年間のべ1千人ほどの親子が利用している・・・

遺児の支援と聞くと、育英資金を思い浮かべる人も多いでしょう。それだけでは、子供たちへの支援にならないのです。
震災で親を亡くした子供の、心の傷は大きいです。しかし、それをうまく伝えることができません。寄り添って話を聞き、つらさを小さくしてあげる必要があります。学校にもスクールカウンセラーを配置しているのですが、それだけでは十分な対応ができません。お金だけは解決できない問題です。
行政の手の回らないところを、支援してくださっています。

原子力事故の伝承

6月23日の読売新聞科学欄が「原子力事故 教訓の伝え方は」を詳しく解説していました。東京電力が、福島県富岡町につくった「廃炉資料館」です。

・・・原子力関連の事故が起きた現場近くには、事故に至った経緯などを伝えたり、現場の一部を保存したりする展示施設がある。事故の教訓を風化させず、社会と共有することが目的とされているが、説明が不十分と思われる部分もあり疑問を感じる点は多い。同じ惨事を防ぐためにも事実をしっかりと伝えていくべきだ・・・
・・・事故の記憶を風化させないため、資料館の意義は否定しない。だが、違和感を覚える点も少なくない。
入り口付近の「ごあいさつパネル」には、「事前の備えによって、防ぐべき事故を防ぐことができませんでした」と東電の反省の弁があった。何をどう防ぐべきだったのか・・・
・・・東電の子会社は2008年、「15・7メートルの津波が襲来する」と試算。東電幹部は事故を予見したが対策を怠った、と訴えられている。幹部は「試算は試行的なものに過ぎない」と主張しているが、こうした事故の核心部分を巡る議論が十分に説明されていない・・・

事故を起こした企業がすべてを説明できないなら、国が後世に伝えるべきだという主張もあります。津波被災地では、いくつか震災遺構が残されています。原発事故は、どうなるのでしょうか。

引きこもりの援助

6月24日の朝日新聞連載「ひきこもりのリアル」は、「孤立防ぐ、「お手本」自治体 戸別調査→就労に結びつく活動」です。

・・・ひきこもる人たちの孤立を防ごうと、先進的な取り組みをしてきた自治体がある。各家庭の状況をよく知る保健師ら福祉関係者の情報をもとに、ひきこもる人たちを積極的に訪ね、福祉や医療、就労支援などにつなげようとする手法だ。他の自治体からの視察が相次いでいる・・・

・・・当初、家から出てきてもらおうと、映画鑑賞や卓球などを企画したが「求められていなかった」と菊池さん。「こみっと」でヘルパー養成研修やそば打ちなど就労に結びつく活動をしたところ、しだいに参加者が増えた。
土産品を販売していた男性は十数年間、ひきこもった経験がある。東京都内の会社に就職したが行き詰まり、母親の体調悪化もあって退職。町に戻ったが、職が見つからなかった。
転機は10年6月、社協職員が家に置いていったヘルパー研修のチラシだった。研修参加をきっかけに外に出られるようになった。
113人を追跡した社協の調査(14年度)では、86人が家から出られるようになっていた。ヘルパーになった人のほか、人材バンクに登録して農家の手伝いをする人も。老人クラブなど地域住民も一緒に使う「こみっと」で人と触れ合ったことも効果的だった。現在、ひきこもっている人は10人程度だという・・・

・・・愛知教育大の川北稔・准教授(社会学)の話 高齢者の介護のために各家庭に入った人が、ひきこもり状態の人を見つけるケースは少なくない。親子が同居する世帯は「家族がいるから」と地域の見守りの対象から外れ、結果的に実態把握や支援が後手に回ることもある。かつては「若者の就労支援」としての枠組みが中心だったが、ひきこもる状態が長期化、高年齢化している現状では、本人だけでなく家族が社会から孤立しないような支援体制が必要だ・・・