応援と受援をうまく機能させるには。コロナ、保健所の経験

10月20日の読売新聞、検証コロナ次への備え「「夜の街」防げなかった感染拡大」から。

・・・西村氏と小池知事らが打ち出した「感染対策3本柱」は始動からつまずいた。特に問題となったのが、「保健所機能の強化」だった。
都は7月20日、歌舞伎町を抱える新宿区保健所の支援拠点を区内の都施設に開設した。地域保健法に基づく正式な保健所ではないが、拠点は「第2保健所」と称され、多忙な区保健所に代わり、一部の陽性者の感染経路の追跡調査や健康観察を受け持つことになっていた。だが当初、現場の受け止めは冷ややかだった。

新宿区保健所の担当者は「100キロのスピードで走っている車に急に飛び乗ってきて、『運転を教えろ』というようなものだった」と振り返ったという。「区保健所が土日返上、平日も深夜まで忙殺されているのに、第2保健所の都職員は定時で帰っている」とのうわさも広がった。新宿区幹部は「区と都の連携がうまくいかなかったのは、どの業務をどれくらい引き継ぐべきか、双方がわからなかったことが理由だ」と話す。

厚労省も、都と連携して新宿区保健所の支援に当たることにしていたが、これも滞った。
複数の厚労省幹部は、都からの要望で保健師らを全国から集めたが、都が設置した「第2保健所」に行くと、「座る場所はない」と門前払いされたと証言する。保健師らは急きょ、埼玉県などに派遣された。
幹部の一人は「区の方からも『業務はパンク状態なので、(支援を受け入れるために)これ以上仕事を増やさないでほしい』と突き放された。『都や区とは二度と一緒に仕事したくない』と話す職員もいた」と明かす・・・