青木会長、ピンチをいきなりチャンスにはできない

9月3日の朝日新聞オピニオン欄「ピンチはチャンス9」、青木拡憲・AOKIホールディングス会長の「スーツの行商で生き抜いた先に」から。

・・・ピンチをいきなりチャンスにするなんてことはできっこありません。ピンチはピンチなのです。コロナ禍の中、日本中、世界中の人びとが、100年に一度というレベルの大ピンチの中、七転八倒していると思います・・・

・・・ピンチは続きました。数年後、親が始めた質屋も行き詰まってしまい、大学に行くのを諦め、生きるために質流れのスーツの行商を始めました。19歳から29歳ごろまで、生活のために一着一着、必死で売りました。思えば、人の心をどう理解するのか、資金繰りについてなど、毎日の真剣勝負の中で勉強をさせてもらったと思います。それが今の私をつくってくれました。

まずはどんなピンチの時でも、生きていることに感謝すること。一息ついて、このピンチを抜けるには何年かかるか予測し、その時どうなっていたいかという思いを描くこと。そこに向かって素直な心で人様にお願いし、とにかく今のピンチを切り抜け、生き抜くことです・・・