アルファベット日本語、新聞表記

日本語の中のアルファベット」の続きにもなります。
1月20日に行われた総理大臣の施政方針演説、ここにもアルファベット語がいくつも使われています(原文は縦書きです。それで、数字が漢数字になっています)。

AI、IT、Wi‐Fi環境、IoT、5G、ポスト5G、Society 5.0、Beyondゼロ、CSF、ASF、下請Gメン、DV、EU、TPP、ASEAN、RCEP、G20、G7、CO2、JR常磐線。
産業や技術の分野を中心に、社会が進んでいることを実感します。

さて、施政方針演説は、衆議院と参議院の本会議で、総理が読み上げられます。では、速記者はどのように、文字に起こすのか? 耳で聞いた言葉を文字に起こすなら、これらの言葉の多くはカタカナになるでしょう(まだ確認していません)。

新聞社は、翌日の紙面で全文を掲載しています。その際に、どのように表記したか。
朝日新聞は、原文のままのようです。

日経新聞は、JR常磐線、AI、Wi‐Fi環境、Beyondゼロなどは、そのままです。他方、Society 5.0は、ソサイエティー5.0と、カタカナにしています。豚コレラ(CSF)、アフリカ豚コレラ(ASF)、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)のように日本語を補っている場合もあります。

読売新聞は、AI(人工知能)、TPP(環太平洋経済連携協定)、豚コレラ(CSF)、アフリカ豚コレラ(ASF)、IT(情報技術)、(次世代通信規格の)5G 、DV(配偶者や恋人からの暴力)のように、多くのアルファベット語に日本語や日本語による補足をつけています。ただし、Wi‐Fi(ワイファイ)、Society(ソサイエティー)5.0、Beyond(ビヨンド)ゼロのように、読み仮名を振っただけの言葉もあります。

新聞社も、悩んでいるでしょうね。中学生や高校生でも分かる文章を書くことが、新聞記事の原則です。CSF、ASF、IoT、5G、Society 5.0、DV、RCEP、Beyondゼロといった言葉で意味が分かる人は多くはないでしょう。あなたは、子供に説明できますか。