第一原発事故の映画

きょうの放課後、角川映画「フクシマフィフティ」の試写会に行ってきました。公開は来年3月とのことです。概要は、ウエッブサイト(のムービーリスト)で見ることができます。

事実を基にした物語で、ドキュメンタリーではありません。しかし、あの時、第一原発では何が起きていたか、所員たちは命がけで何をしていたかが、よくわかります。
大津波で電源を喪失し、真っ暗闇の中、原子炉の状態も分からない中、放射線量が上がり続けます。所長と作業員は、決死の作業を続けます。作業を邪魔する官邸と、当事者能力のない東電(映画では東都電力)本店幹部も出てきます。
水素爆発の映像、第一原発と原子炉の映像など、良く再現してあり、迫力があります。

そして、吉田所長役の渡辺謙さん、当直長役の佐藤浩市さんの演技は、すばらしいです。
この映画をどのように結末をつけるのか。原子炉建屋の水素爆発では、物語としては締まりません。見終わって私は「なるほど、このように締めるのか」と感心しました。ネタをばらしてはいけないので、そこは映画をご覧ください。

原発事故は、日本が忘れてはならない大事故です。しかし、大震災を経験した人も、原発事故の概要と全体像は、詳しくはご存じないと思います。また、8年以上の年月が経ち、記憶も薄れているでしょう。
制作者からは「後世に伝えるために作った」との紹介でしたが、まさにその意義があると思います。映画の迫力はすごいですね。書物で読む人は多くないでしょうが、このように映画なら多くの人に見てもらえます。
良い映画を作ってくださいました。

この映画はドラマなので、第一原発の事故と作業員の働きに焦点が当たっています。
このほか原発事故に関して知ってもらいたいことに、避難を余儀なくされた多くの住民の行動と苦悩、復興への取り組み、そして第一原発の廃炉作業もあります。それらを、一本の映画に盛り込むことは難しいですが。
お勧めです。公開されたら劇場に行ってください。