鎌田浩毅先生『やり直し高校地学』

鎌田浩毅先生の新著を紹介します。『やり直し高校地学ー地球と宇宙をまるごと理解する』(2019年、ちくま新書)です。ちくま新書には、「やり直し高校××」というシリーズがあるようです。内容は、表題でわかりますよね。

私は高校では理科4科目、物理、化学、生物、地学を履修しましたが、受験科目は物理と化学を選びました。この2つが、理論的だと思ったのです。すみません、当時は、生物は植物の分類、地学は地層と岩石の学問と思っていました。しんきくさいなあ・・・と。
ところがその後、生物は遺伝子の解析や分子生物学が発達して、面白い学問になりました。地学も、プレートテクトニクスや古生物学など、面白い学問になりました。この半世紀で、ガラッと変わりましたね。
最先端の研究が画期的に進んだのとともに、それを一般人に伝える書物が増えたからでしょう。無味乾燥な分類学や岩石学から、わくわくする科学に変わったのです。

鎌田先生は、科学の伝道師を名乗っておられます。最先端の難しい科学を、素人にわかるように伝えてくださっています。新著も早速に重版になったようです。よく売れているということですね。
素人には分厚い学術書や教科書より、新書版がうれしいです。でも、難しいことを短く書くというのは、難しいのですよ。