連載「公共を創る」第14回

連載「公共を創る 新たな行政の役割」の第14回「哲学が変わったー成長から成熟へ 震災を機に行政の役割も変化」が、発行されました。

大震災の被災者支援と復興の過程でわかったことは、国土の復旧ではまちの暮らしは戻らず、暮らしの再建にまで支援の範囲を広げる必要があるということでした。
そのような視点から日本の行政を見ると、これまでの行政は、モノとサービスの提供に重点を置いていたことがわかります。明治時代以来の、産業育成、社会資本整備、行政サービスの充実の際には、これが効率的に働きました。

しかし、それらの目標を達成すると、別の問題が見えてきました。それらの行政から漏れ落ちた人や課題です。
例えば、災害で壊れると、上下水道は公共施設として復旧されますが、個人の井戸は個人の責任となります。おかしいと思いませんか。
生産者視点や提供者視点でなく、生活者視点から見ると、そのような課題が見えてきます。