中間団体の重要性

5月9日の日経新聞「令和新時代」、猪木武徳・大阪大学名誉教授の「新技術 道徳と調和を」から。

・・・平成が始まった年は東西冷戦が終わった年でもあった。世界の体制変化と日本の経済力の相対的な低下が同時に進んだ。なかでも、中国の台頭は大きなファクターだ・・・

・・・中間組織に弱さ
経済でも、昭和は大企業が安定的に支配していたが、平成には野望を持つ新興企業が参入し市場を揺さぶった。一方で、国と個人の間にある中間組織が弱くなった。労働組合の組織率は低下、経営者団体もかつてのような発言力がない。民主的な精神が徹底したが、補完する装置は弱まった。
民主制を安定的に機能させるには、個人と国家が直接対峙するだけでなく、非営利法人(NPO)も含めた中間的な組織が大切だ。個人は弱いので団結して共同の利益を主張することも必要だ・・・

中間団体は、公共を考える際にも、重要な要素です。