『文部科学省の解剖』

青木栄一編著『文部科学省の解剖』(2019年、東信堂)を紹介します。
現在日本の代表的行政学者たちによる、文科省の組織を取り上げた論文集です。

宣伝には、
「文部科学省の組織構造の全貌を捉えた官僚制研究
幹部職員に対する初となるサーベイ、文科省と官邸・他省庁・地方自治体関係、庁舎内の部署配置・執務室内の座席配置分析といった行政学的分析を通じて、文部省/科技庁の統合後の変容も含めた、中央省庁の一翼としての文科省の組織構造を明らかにする」と書かれています。
教育行政研究では、これまで、文科省が取り上げられてこなかったようです。

日本の教育行政を分析するには、このような組織の分析のほかに、機能の分析も欲しいですね。
・文科省が教育現場にどの程度影響を与えているか
・特に教育現場を「支配」している、現場が文科省に「依存」していると呼ばれる関係の実態
・文科省が教育現場の課題をどれだけ吸い上げているか
・文科省の役割の諸外国との比較
・なぜ、学校教育だけでは不十分で、多くの生徒が学習塾に通うのか
なども次の研究に期待しましょう。