居心地良い「日本人どうし」を抜け出す

2月28日の読売新聞解説欄、エマニュエル・トッドさん(フランスの歴史人口学者)の「「日本人どうし」抜け出せ」から。

・・・日本はなぜ移民を拒むのでしょう。人種差別主義、あるいは外国人嫌いなのでしょうか。やがて私は問題の核心を理解します。外国人を敵視するのではなく、日本人どうしでいる状態を失うことが怖いのです。日本人どうしの居心地は申し分なく、幸せなのです。日本社会は自己完結の域に達していると言えます。
それは極めて特殊です。フランスの場合、誰もが身勝手で不作法。フランス人どうしでいると不愉快になります。だから移民受け入れに特段の不安はなかった・・・
・・・人口危機は数十年の潜伏期を経て発現し、一気に激化します。合計特殊出生率の極めて低い状態が何十年も続く日本は今や危機に瀕しています。私見では「日本人どうし」に固執する先には衰退しかない・・・

・・・第三に、多文化主義は採用しない方がいい。
欧州ではかつて英国やドイツが多文化主義を唱えていましたが、いずれも「共存」に失敗し、もはや旗を振っていない。ある国で主流の言語・文化は主流であり続ける必要があります。日本は日本語・日本文化を主流として、どうか主義を取るべきです・・
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