仕事の仕方、回遊魚と根魚

今日は、若手職員の質問に答えて、毛色の違ったお話をしましょう。

魚の生態で、回遊魚と根魚(ねざかな)の違いがあります。
回遊魚は、水温の変化やエサを追いかけて、大洋を移動します。マグロ、カツオ、サンマが代表例です。他方、根魚は、海底の岩礁や海草の間などに棲み、広範囲には動き回りません。磯釣りの対象です。根付き魚とも呼びます。

人の仕事ぶりでも、この対比は使えます。精力的に動き回る人と、じっとしている人です。
時と場合によりますが、動かなければならないときに、じっとしている人、遅い人は困ります。「不動明王」「鎌倉の大仏さん」と呼ばれます。情報を集める、人脈を広げるには、回遊魚でなければなりません。
もっとも、ただ動き回っているだけでは困ります。「あいつは落ち着きがないなあ」です。また、帰るべき本拠地がなく、動き回っているだけでも困ります。専門分野を持ちながら、回遊するのが良いのでしょう。この点は、『明るい公務員講座 仕事の達人編』でも、強調しました。

日頃の生活にも、例えることができます。休日に家で寝ているか、出かけるか。一度しかない人生なら、いろいろと見たいですよね。

ところで、マグロは「海中では口と鰓蓋を開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水で呼吸する。泳ぎを止めると窒息するため、たとえ睡眠時でも停まらない」(ウィキペディア)のだそうです。これは、困ったものです。