雑誌『行政法研究』

宇賀克也責任編集『行政法研究』第20号(2017年10月、信山社)を紹介します。
第20号は、「行政法の課題」です。現在の行政法学の課題を、それぞれ第一人者が解説しています。目次を見るだけで、そして冒頭の宇賀先生による概要紹介(はしがき)を読むだけで、現状が分かります。
行政法の世界も、社会の変化にしたがって、どんどん変わっていきます。教科書では追いつけません。何が問題になっていて、どのような考え方になっているのか。それを知るために、このような概括は便利で、ありがたいです。

この雑誌は、宇賀先生が編集者になって、2012年から発行されている論文誌です。この号で、20号になります。
フランスなどでは、有力な研究者が編集者になって、雑誌を編集することが多いようです。宇賀先生のこの雑誌も、そのような試みでしょうか。
社会科学系の研究者が論文を発表するには、ジュリストのような商業雑誌、学会の機関誌もありますが、それぞれ制約があります。このような雑誌は、良いことですよね。もっとも、商業的には成り立ちにくいでしょうし、編集担当の先生にも大きな負担がかかるでしょう。
信山社からは、その他の分野、環境法、社会保障法、消費者法などの論文誌も出ているようです。