慶應義塾大学、地方自治論Ⅱ期末試験講評

82人の答案の採点をしました。全体について講評を書いておきます。

問1と問2は、大半の学生が、基本的なことを理解して答えていました。もっとも、「自治体の歳入の概要と特徴と地方税の概要を述べよ」という問に対し、(問に例示した)語句を羅列し、(問に例示した)分類をするだけの答案が多かったです。それだけでは、「概要と特徴」を答えていません。
問3は、機能については大半の学生が記述していましたが、果たしてきた成果について書いている学生は多くはありませんでした。
それらをしっかり書いている答案にはAをつけました。

地方税を述べる際に、所得税や法人税を上げている学生がいました。これらは、国税です。
「3割自治」を述べる際に、現在の税収が収入の3割だという答案が多かったですが、授業で取り上げたように現在は4割近くになっています。もちろん、これは自治体総額での割合です。自治体間でばらつきが大きいことを、しっかり書いていた学生もいます。

地方交付税の機能と成果を問う問題に、地方財政平衡交付金制度(地方交付税制度の前身)を書いている学生が数人いました。(試験に持ち込みを許した)私が授業で配付した資料にも出てこない、かなり専門的な話です。何か間違った参考書を見たのでしょうか。