リベラルの任務

朝日新聞10月13日「2017衆院選 リベラルとは」、坂野潤治・東大名誉教授の「「民主化」「中道」こそ、目指した道」から。
・・・「歴史を踏まえて言葉の意味が変わっていくのは当然だ」としながらも、坂野さんは、戦後リベラルが社会の民主化を進めるという方向性を忘れているのではないかと懸念する。戦後民主主義は、憲法9条に象徴される平和主義を守ったかもしれないが、格差是正や多様性の尊重など、民主主義の課題にきちんと向き合ってきたかという問いかけでもある。
「海外に目を向けると、雇用が不安定な若者ら従来の政治ではすくい取れなかった人たちを吸引する勢力が出てきている。米国の民主党のサンダース上院議員や英国の労働党のコービン党首らがそうだ。だが日本の政党や政治家の動きは鈍いと思う」
「日本の政党政治が9条堅持か否かといった戦後民主主義をめぐる対立に終始するなら、政治と社会との乖離(かいり)が進んでしまう。今回の選挙の結果、仮に安倍1強政治が終わったとしても、この対立が続くだけなら意味がない。リベラル勢力に課された問題だ」・・・