慶應義塾大学、公共政策論第6回目

今日は、慶応大学法学部で公共政策論の第6回目の授業。予定を少し変えて、社会のリスクと公共の役割を続けています。
個人や家族が困ったとき、自助(個人責任)か、親族や地域の人たちが助けるのか(共助)、政府が助けるのか(公助)。共助の一つの方法として、保険もあります。民間保険と公的保険です。歴史は、個人責任から共助、そして公助へと広がってきた歴史です。
他方で、個人のリスクを分類して、それらが社会のリスクと見なされるようになったことを解説しています。体や財産への「暴力的リスク」、健康や環境などのリスク、社会システムが動かなくなるリスク、人とのつながりが欠けるリスクなど、自然災害や暴力以外のリスクがあること、古典的なリスクに加え、新しい社会のリスクが増えていることをお話ししました。
「公共」とは何か。誰が、それを維持し救うのか。視野を広げることで、行政そしてこれまでの公共政策論が狭かったことが見えてきます。

「新しい社会のリスク」については、かつて連載していたのです。それを活用しています。「社会のリスクの変化と行政の役割」。
官僚として、新しい時代の行政の役割を考え続けてきました。そこで、これまでの勉強を、今回の公共政策論で集大成することになっています。それを狙って、この講義を引き受けたのです。