近世の村社会、石高による統治

水本邦彦著『村 百姓たちの近世』(2015年、岩波新書)が、面白くて勉強になりました。この本は、日本近世史シリーズの1冊ですが、日本の村がどのようなものであったかを、古地図や古文書を読み解いて、描いています。村というと、古くさく貧しいという印象を持ちがちですが、そうではありません。もちろん、新書版なので、村の暮らしのすべてが紹介されているわけではありません。例えば冠婚葬祭などは、でてきません。
本書の視点は、全国の村が、米の生産量で把握され、統治されることです。中には、一つの村が、いくつかの領主に分割統治されることもあります。相給村というのだそうです。飛び地が入り交じります。権力者の歴史より、このような視点の歴史は、面白いですね。お薦めです。1月以上前に読んで、いろいろと印象に残ったことがあったのですが、忘れてしまいました。反省。