この四半世紀の日本の政治改革、その4

・・政治主導とその実態を形作るものが何かといえば、それは政党である。平成初めの政治改革のスローガンは「個人中心から政党中心へ」であった。つまり「平成デモクラシー」は、政党の改革と政治主導の充実に期待をかけてきた。確かにかつての派閥は事実上なくなったが、それに代わって政党があらゆる面で充実し、政治主導を任せられるものに成長したかといえば、自信を持って「イエス」と回答できる状況には必ずしもない。
日本では、政治主導と政治家主導とがしばしば混同される。政治家主導というのは察するに、政治家たちの発言力が―特に、官僚との関係で―強まることを素朴に肯定する態度である。多くの政治家たちはこの政治家主導を政治主導と取り違え、その結果、政党の内部は混乱し、政権運営は内側から崩壊しかねないことになる。つまり、政治主導と政治家主導は同じどころか、時には相矛盾する現実を意味するのであるが、そこが曖昧なままである。逆にいえば、政治主導は政治家に対する組織的な統制力なしにはあり得ないのであって、政治家たちがそれぞれ勝手なことをいうこととは両立しないのである・・