2010.11.17

今日は、慶応大学での講義5回目。今月は、3日が祝日、10日は私が中国出張、今週17日は講義、24日は大学祭で休み。11月は、かき入れ時なのですがねえ。
授業は、国と地方の財政関係に入りました。日本の地方財政を論じる際の、最も重要なポイントです。今回は、国と地方全体の財源配分の仕組みと、財源保障の意義を講義しました。次回は、各地方団体ごとに、この仕組みがどのように機能しているかを、お話しします。今週がマクロ機能、次回がミクロ機能です。
先週、行ってきた、中国の実情と仕組み(中国で考えたこと2010年)もお話しして、なぜ国家が地方自治体の財政を保障し、自治体間格差を調整しなければならないかを、お話ししました。経済発展が進む際、地域間と個人間(家庭間)で格差が生じます。簡単に言うと、生産性の高い工業や商業が栄える地域と、生産性の低い農林業の地域の差です。その差を放置し、個人の移動(住所の移動と職業の移動)に任せるのか、ある程度の範囲に収めるように政策を実施するのか。
ゆっくりと経済成長する場合は、なだらかに調整されるのでしょう。しかし戦後の日本と、この30年の中国は、経済発展が急速だっただけに、個人間と地域間の格差の発生は大きかったのです。日本は、それを工場分散、地方への公共事業投資、米の買い支え、交付税制度で均衡化しました。世界でも、成功した方だと思います。それでも、集団就職列車が、あったのです。
この分野は、私のホームグラウンドです。いろいろエピソードも交えて、お話ししました。学生さんたちの食いつきも、良かったです。