休みは増えたが労働時間は減っていない

10月25日の日経新聞経済教室は、黒田祥子准教授の「日本人男性の労働時間。一日当たり、一貫して増加」でした。
1987年の労働基準法改正で、週間法定労働時間は、48時間から40時間になりました。90年代初めには、週休二日になりました。労働者の年間休日数 は、1985年の92.2日から、2009年の113.7日と、21日も増加しました。1日8時間とすると、170時間の労働時間削減です。
一方、20歳から49歳の壮年男性社員の平均労働時間は、1980年代末に週52時間近くあったものが、1990年代に48時間に減り、2000年代には 50時間に戻っています。そして、1日当たりの労働時間は、1970年代の8時間から年々増加し、2006年には9.1時間にまで増えています。その分、 睡眠時間が7.9時間から7.2時間へと減っています。1日当たり13時間以上働く人の割合も、2%から8%に増えています。
休日は増えたけれど、その分だけ平日の労働時間が増え、睡眠時間を削っているという姿が見えます。疲労が蓄積されるのです。