金融庁の10年・行政のあり方の変化

金融庁の前身である金融監督庁が発足してから10年になるので、各紙が金融庁の業績を取り上げています。20日の朝日新聞は、「こわもて金融庁、転機」で大きく取り扱っています。
当初は不良債権処理に腕をふるい、20以上あった大手銀行は6グループに集約されました。日本の行政のあり方としても、それ以前の護送船団行政からの大転換の代表例でした。もちろん、日本経済と国際金融市場の大変化が、その背景にあります。
次にその延長として、銀行保護から預金者・投資家保護に重点を移しました。これもまた、日本の行政のあり方の大転換の現れです。この流れは、現在進められている消費者庁構想に続きます。この観点からは、今の金融庁は、金融機関(業界)育成と消費者保護という、相反する行政を行っています。
この間、国家公務員総定数は削減されていますが、金融庁の定数は400人から1,200人へと3倍になっています。極めて珍しい例です。機動的に定員を配置したのです。また、事前調整型行政では公務員は少なくてすみますが、事後チェック型になると検査員が大幅に必要になることがあるのです。