その6 企画への民の参入

行政サービスについて、官と民との垣根が低くなったことを述べました。さらに、実施部門だけでなく、企画についても垣根は低くなっています。企画部門も、官が独占しません。民間のアイデアが良ければ、それを採用すればよいのです。
これまでは、官僚が事実上、政策立案を独占していました。もちろん、審議会などで、民間の知見も吸い上げました。研究者、マスコミ、議員、圧力団体からも、アイデアは提供されました。しかしその場合でも、官僚が取捨選択しました。アイデアを法律や予算にする作業を官僚が担っているので、官僚に都合の悪いアイデアは、法律や予算にならないのです。また、各省協議があるので、一つでも反対する省があると、成案にならないのです。
これからは、官僚による政策の独占が、崩れると思います。その例が、経済財政諮問会議です。民間のアイデアが官僚の頭越しに議論され、実行に移されています。すなわち、民間議員ペーパーが、各省協議なしに提出されます。そして、総理の前で議論されます。もちろん、法案にするためには閣議決定が必要ですが、総理がいったん決めたことを、各大臣が反対することは困難です。