2005年度

28、29日と、地方財政学会2005に、大阪まで行ってきました。会員は600人となり、出席者は350人を超えたそうです。学者の先生方と旧交を温めるとともに、多くの地方団体職員からあいさつを受けました。「ファンです」とか、「HP見てますよ」とか(ぐふふ・・)。
このようにたくさんの公務員が参加しするのは、良いことですね。大きな市や近くの団体からだけでなく、小さな村や遠くは佐賀、長崎、沖縄からも。勉強しようという意欲に、敬意を表します。また、研究の方も空論にならず、より実態に即したものとなるでしょう。
来年は、東洋大学(東京)でです。会員でなくても、参加できます。その頃になったら、このHPでも案内しましょう。多くの方の参加を歓迎します。もちろん、会員になっていただくことも大歓迎です。
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私の出番は、「第10分科会-交付税・補助金改革Ⅱ」での討論でした。発表のうち、矢吹初先生「地方財政の外れ値の分析」と星野菜穂子さん「地方交付税の財源保障―高齢者保健福祉費を対象に」は、出色の報告でした。
前者は、交付税の算定結果から、平均像から外れた市町村を「機械的に」選び出し、その原因を探るものです。後者は、交付税の財源保障機能について批判があるが、それは主に投資的経費であり、それに対し福祉の経費ついて財源保障の重要性を主張します。また算定方法・結果と実際の支出との関係を分析したものです。
いずれも、これまでにないアプローチで、新たな研究の地平を拓いています。論文が完成したら、ぜひ広く読んでいただきたいです。
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持田信樹東京大学教授と一緒にコメントするのは光栄でしたが、鋭い持田先生の後に意見を述べるのはつらいものがありました。また、交付税制度の改正やその影響を分析していただくのはありがたいですが、1990年に交付税課補佐となって担当した者としては、「被告人の弁明の場」でもありました。それでも、交付税に関心を持っていただき、正しく理解していただくことは、ありがたいです。逃げ隠れせず、説明しますよ。(5月29日)
【訂正】
今年度の地方財政学会の参加者を350人と書きましたが、1日目約400人、2日目約250人だったそうです。(6月12日)