法律ができるまで6

2005年
21日から、国会が開かれる予定です。与党関係者に、総務省が提出を予定している法案の説明を始めました。(1月7日)
11、12日と、参議院総務委員会の現地視察に同行してきました。熊本、鹿児島です。両県庁の他、郵便局、NHK放送局、消防署、地域開発と盛りだくさんでした。総務委員会=総務省の所管は幅広いので。総務課長には、いろんな仕事があります。県庁では、何人かの知人にも、久しぶりに会いました。「泊まっていかないのですか・・」とか「今晩空いてますよ」と、声をかけてもらいました。ゆっくりとお話ししたいのはやまやまなれど、不義理をしてきました。(1月12日)
21日から、第162回国会が始まりました。150日間の長丁場です。今年は、150日目が6月19日で日曜日です。すなわち最後の土日が休みで、実質は148日です。今日22日では、あと146日です。それでも、長いですね。
総務省は、法律改正を10本予定しています。そのほか、NHKの予算などもあります。昼間の根回し、夜に及ぶ答弁資料調整の他、携帯電話が鳴ることも多く、この期間は気が休まりません。
24日から3日間、衆参両院本会議で代表質問があり、そのあと、まず補正予算が審議されると思います。すると早速、「16年度補正交付税法改正案」がかかります。(1月22日)
28日に16年度補正地方交付税法案が、衆議院を通過しました。国の補正予算は、27、28日の両日予算委員会で質疑され、採決されました。その後、総務委員会で補正交付税法案が質疑採決され、引き続き本会議で採決されました。共産党を除く賛成多数で通過しました。実は今回の補正予算関連の法律は、交付税法だけなのです。すなわち、予算委員会以外で開かれたのは、総務委員会だけです。月曜日からは、参議院に舞台を移します。
今回は、補正予算による交付税の増収が、1兆1千億円ありました。そのうち1千億円は災害対策などに使い、残り1兆円は17年度に繰り越しました。地方交付税法第6条の3には、「普通交付税を配って余った金額は特別交付税に加算する」との規定があります。この条文を基に、「1兆円は繰り越さず、今年度に使うべき」との主張もありました。
交付税がルール分だけで賄えておれば、この規定通りに「今年中に使ってしまう」のが良いのでしょう。しかし、現在は大幅な財源不足で、国からの加算や借入、そして赤字地方債の発行をしています。来年度の赤字地方債を少なくするために、今回の方法は正しい方法だと思います。あるいは今年度に使うならば、今年度の穴埋めに使う=16年度の赤字地方債発行額を減らす方法も考えられます。
交付税法の規定は、国による年度間調整を想定していない(地方団体で年度間調整をする)思想の表れかも知れません。このあたりは、小西砂千夫教授との対談「地方交付税制度50年:三位一体改革とその先の分権へ」月刊『地方財務』1月号での2人の問題意識に通じます。(1月29日)
今日、補正交付税法案が、参議院総務委員会で質疑採決された後、本会議で成立しました。これで、まず1本が上がりました。
28日に衆議院を通過した際の写真が、「あっ、そうだろう」の「ズームアップ麻生大臣」に載っていました。ありがとう、片山カメラマン。この写真は本業の様子に載せました。(2月1日)
今日の予算委員会は、野党が出席せず、与党のみで質疑が行われました。そして、途中で休憩になりました。去年も、こういうことがありました。「国会というところ4」のページ中「4もめる」をご覧ください。(2月9日)
先週野党が出席を拒否していた予算委員会は、今日正常化しました。その構図を、13日の日本経済新聞が解説していました。「55年体制下の国会運営と様変わりだ」という解説でした。私は少し違う見方をしています。(2月14日)
今日、衆議院本会議で、地方財政計画・交付税法・地方税法の趣旨説明質疑がありました。総務大臣が趣旨説明をした後、質疑がありました。これら3本は、毎年、本会議で質疑された後、委員会に付託されます。
今年は、国税改正法案と一緒に本会議にかかり、かつ「重要広範議案」として総理が出席され答弁されました。重要広範議案という制度は、平成13年省庁改革時にできた制度です。交付税法が当たるのは、初めてです。
議事録は近いうちに載りますので、総理を含め、どのような議論がされているかご覧ください。このように、地方財政は、いろんな面で国政の重要課題に位置付けられています。質疑の後、法案は総務委員会に付託されました。次は、委員会での質疑です。(2月15日)
予算委員会の合間を縫って、お昼に総務委員会が開かれ、麻生大臣が所信を述べました。大臣所信に対する質疑は、22日に行われる予定です。この所信には、総務省が取り組んでいる主要課題が、コンパクトにまとめられています。ご覧ください。(2月17日)
今日は、衆議院総務委員会で大臣所信に対する質疑と、本会議で三位一体改革関連法案の質疑が行われました。麻生大臣は、朝から、閣議→予算委員会→総務委員会→本会議→予算委員会→総務委員会と、ハードスケジュールでした。かつては、委員会では、局長など政府委員が答弁する機会が多かったのですが、近年はほとんど大臣が答弁することが多く、お一人で大変です。
しかも、今日も、ライブドアのニッポン放送株買い占め問題、郵政民営化、市町村合併、三位一体改革、定率減税縮減、官民人事交流などなど、質問は多岐にわたりました。これは大変です。
総務委員会は、野党が「地方税法案から、日切れでない定率減税部分を切り離すこと」を要求し、地方税改正法と交付税改正法の審議の見込みが立っていません。
委員会の日程は、与野党の理事が協議して決めます。公式の理事会の前に、理事懇談会が開かれます。さらにその前に、与野党の筆頭理事間で概ねの案を詰めます。また理事は、それぞれ党の国対の指示を仰ぎます。この駆け引きは、新聞には出ませんが、なかなか「興味深い」ものです。
総務課長は、与党の先生と一緒に、野党の理事に対し、早く審議してくださるようお願いしています。大臣ほどではありませんが、いろいろと働かせてもらっています。昨夜は、今日の答弁の準備で帰宅が遅くなり、このHPの更新ができませんでした。もっとも、一人で仕事をしているわけではありません。多くの職員の支えがあってこそ、課長は仕事ができます。ありがとう(HPを使って部下に「よいしょ」をしている課長って、他にはいないでしょうねえ。へへへ)。(2月22日)